アーケロンは、セルバンテスが海賊時代から愛用する長剣。大西洋の大海賊として恐れられた時代、哀れな獲物から略奪した品である。
ニルヴァーナは柄の部分に短銃を仕込んだ奇怪な構造の短剣。当時の技術水準を考えれば銃器としての威力はたかが知れているが、隙をついて相手の身体に銃弾を叩き込めば必殺の隙を作り出すのもたやすいだろう。イタリアの武器商人・ベルチーから贈られたものであり、大海賊と「死の商人」の暗い関係性を象徴する品でもある。
これらの武器を使いこなすセルバンテスの戦闘術は強力無比と言えるが、彼自身は物足りないという思いを強くするばかりだった。それもそのはずである。邪剣の力、その禁断の味をセルバンテスは知ってしまったのだから……。