古来より中国では様々な武技が発展してきたが、その中でも棍術はあらゆる武術の先駆けとみなされている。棍は人間が最初に使用した武器とも言われ、拳術が体系化されるよりも早く「武術」の形を成していたのだ。
その中でも洗練された技を持つと言われたのが、臨勝寺に伝わる棍法である。
無論、身の丈ほども長さのある棍を自在に扱う技を習得するまでには長い修練を要する。しかしひとたび完成を見た棍法は、握りの自由度から遠近自在の攻防を可能とし、槍をはじめとした他の長物とはひと味違った妙味を帯びる。
忌まわしきイヴィルスパームが臨勝寺を襲ってから、キリクは常に滅法棍と共にある。臨勝寺武術最後の継承者となった彼は、厳しい修行を通じて剣聖・エッジマスターから奥伝の技を学んでいるのだ。