武術寺として名をはせた臨勝寺。キリクは捨て子として寺に拾われ、幼少の頃より武を修めながら育った。
身寄りのないキリクだったが、シャンレンという少女だけは特別な存在だった。
ともに親の顔を知らない二人は、心を通い合わせながら共に修行を続け、いつしか実の姉弟かそれ以上の強い絆で結ばれるようになる。
成長し腕を上げた二人は、臨勝寺に古より伝わる「三宝」の伝承者に選ばれるまでになっていた。
そして、伝承の儀式前夜――大いなる運命が動き出す日が近づいていた。