ソレル一族を見限ったラファエルだが、ただひとつ縁を繋ぐものがこの宝剣フランベットである。
ソレル家代々の当主がその手に握ったという剣は一族繁栄の象徴でもあったが、ラファエルの行動により栄光の歴史は実質的に断絶した。事実、その後のフランス史に名門ソレル家の名は刻まれていない。
刺突と斬撃、両方に用いることのできる刃を持ち、攻防自在の戦いを可能とするが、決して御しやすい刀剣ではない。相応の膂力を持ち、緊張の高まる戦いの場面でも高度な技量・集中力を発揮できる使い手でなければ本来の力を引き出すことはできないだろう。
この剣を使いこなすべく若き日から修練を重ねてきたラファエルにとっては、己の野望を支える従順なる供である。