封魔衆の使う武器は多岐にわたるが、その中でも忍者刀を扱った技が夢想抜刀流である。
鞘から抜き打ちざまに斬りつける技にその特徴があり、疾風のごとく速く鋭い斬撃と多彩な蹴り技との組み合わせは相手に気を抜く隙をまったく与えない。
相手を惑わす変幻自在の体術もその技法の一部であり、人間ばなれした跳躍法や瞬時に間合いを詰める歩法などは、武術というよりは忍術の範疇と見るべきである。
本来であれば妖怪に対して用いられる、霊力を放っての攻撃も封魔の里に伝えられるところであり、戦闘に用いられることがあれば、まさに必殺の一撃となるだろう。
タキは今、難しい選択を迫られている。対決すべき相手、封魔の首領トキは、かつて彼女に夢想抜刀流を教えた恩師でもあるのだ。