流派「風奉りの奉納剣舞」

東南アジアのある島に生きる、風を奉る一族。彼らが風に祈りを捧げる時、舞うのが奉納剣舞である。
その動作は優雅さを基調とするが、時に鋭く疾走し、激しく猛る動きを見せることもあり、決して優しいだけではないという自然の特性を表現している。もし剣舞の中、「最後の巫女」が加護を願ったならば、風は彼女に従い、敵を切り裂く刃となるだろう。
風は絶えず動き続け、形を持たない。それゆえに祈りを捧げる者もまた、舞の中で休むことなく動き続け風に近づくのだと、そう彼らは説く。剣舞を極めた末には、自我を忘却し風そのものとなる境地があるという。風を奉ることと風そのものになること、それは彼らにとって同じ事象なのである。